5行の詩で想像力をチェックしてみようある詩を読んでその絵を描いてみてという授業をしたことがあります。言葉をそのまま表面的に見ているのか、 きちんと想像力をいかせて、"詩を味わう"ことができているか ちょっとしたテストができますよ。 『台所に ぼくの脱いだ下駄の片方が ひっくり返っている 妹の下駄は ハの時 母の下駄はそろっている こんなところにも ぼくがいた 』 「台所」は、現在のキッチンという意味合いというよりも土間として考えてねと 注釈を入れてあげてもいいと思います。 長方形を書き、その中に横棒を一本。 その線の上が一段高い床、下を「台所」、玄関から入ってきた土間だとして、 生徒たちに下駄がどういう状態にあるのか描きこませました。 二つの回答例がこんな感じです。↓ 単に、言葉面だけを追ってそのままを描くと左側のようになると思います。 ですが、言葉が示していることを元素とか物体というのではなくて、 ドラマの一場面であるように考えると、右の図に近くなると思います。 ●「母の下駄」「妹の下駄」とわかるのはなぜ?大きさは当然ちがうはず。 自分の家の玄関を思い浮かべるとわかりますよね。 ●「片方ひっくり返っている」というのは、どんな脱ぎ方をしたのか・・・ 勢いよく帰ってきて、下駄をそろえることもせずにかけあがった少年を想像すると・・・ 片方はぽいっと投げるような脱ぎ方になるはず。 二つの下駄が隣同士にあるはずはありませんよね。 下駄の配置が、その人その人の性格を表しているよねという意味合いも詩の中にあるので さほど難しくはないんですけどね。 妹の下駄を小さく、そして内股のハの字に。 生徒の描いたものの中には、ガニマタのハの字のものがありましたねー。(-_-;) ●左の図を描いた生徒に「自分の描いた絵のようになるには、どんな脱ぎ方になる?」 両足そろえて、片方ひっくり返そうとしたら・・・めっちゃ難しいわっ!!笑。 母親の下駄のつま先が玄関の方に向いていないものもけっこうありました。 「履物をそろえる」ってことからの説明になりましたね・・・。 この詩で、生徒同士のイラストを比べてみて 同じ言葉を発しても受け取る側の力しだいでは 伝わり方が全然ちがうんだということも、実感できたようでした。 しっかりと受け止める力がつけば、もちろん授業のポイントもしっかり理解できるでしょうし、 映画やドラマの感動も大きくなるでしょう。 生活の中の感じたことを人に伝える側になったときにも役に立つでしょう。 「なるほどー、その前後も考えてみたらいいのか♪」 とそのコツをつかんでもらうことが大切なので、 できなかった=国語力がない・想像力がないということではありません。 言葉は、意外と多くのことを伝えているということを知り、 少し考えてみるというきっかけになればいいんです。 そういう練習には、推理物もオススメです。 小学生探偵・・・コナンじゃないですよ。 アイダビル町に住む、ロイ・ブラウン。警察署長の父親に助言をし、見事事件を解決させます。 → 「少年たんていブラウン」(全10巻) ま、訳が多少固いせいでしょうか、中にはこのトリックはイマイチだなぁ~なんて思ってしまったのもあるのですが、 いい感じでヒントがちりばめられていて、なるほど!!うまい!!というものも多数あります。 単に「犯人はこいつかぁ~」というのを楽しむのではなく、 読者にちゃんと推理させるいい作品だと思います。 本の世界で、温度を感じたり、耳をすませたり、状況から変化しているはずのものを想像したり、とってもいい練習になると思います。 夏休みの後半や、ダレる時期にはよく利用させてもらっていました。 これはオススメです。 一つ一つの話は短いのと、推理が楽しいので読書にいまいち乗り気でない男子にも 受け入れられやすい作品だと思いますよ。 あ、検索してみたところ、完訳の全10巻の中から出来のよいも作品に絞られた 文庫版全3巻があるようです。 応援のクリック1票よろしければ、お願いいたします。↓ →TOP(FREE PAGE 記事一覧)にもどる。 →次の記事「アルバイト講師の良し悪し」を読む。 ジャンル別一覧
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